市民のみなさまへ

●B型肝炎が公費予防接種に追加されます

1.B型肝炎について
 
B型肝炎はウィルスによって引き起こされる肝炎の一種です。成人がB型肝炎ウィルスに感染すると1~6ヶ月の潜伏期間を経て、全身倦怠感、食欲不振、悪心、嘔吐、褐色尿、黄疸などが出現します。尿の色は 濃いウーロン茶様であり、黄疸はまず眼球結膜(目の白目の部分)が黄色くなり、その後皮膚も黄色みを帯びてきます。中には、激しい炎症による肝不全を呈し、いわゆる劇症肝炎を来すこともあります。
 一方、出産時ないし乳幼児期においてB型肝炎ウィルスに感染すると高率に持続感染に移行します。生後数年~十数年間は肝炎の発症はなく、感染したウィルスは排除されずに患者さんの体内で共存しており、この状態を無症候性キャリアと言います。思春期を過ぎると自己の免疫力が発達し、ウィルスを異物(病原物質)であると認識できるようになり、白血球(リンパ球)がウィルスを体内から排除しようと攻撃を始めます。この時リンパ球がウィルスに感染した肝細胞も一緒に壊してしまうので肝炎が起こり始めます。一般に10~30才代に一過性に強い肝炎を起こし、80~90%の方は肝機能が安定して一生を送ります。残りの10~20%の人は慢性肝炎へと移行し、その中から肝硬変、肝がんになる人も出てきます。

2.予防接種の効果、副反応
 0歳のうちに3回接種を受けた場合ほぼ100%で感染を防ぐに十分な抗体が産生されます。ワクチンの効果は個人差がありますが、20年から30年続くと言われています。
 副反応は5%以下の頻度で、発熱、発疹、局所の痛み、痒み、腫れ、硬結、発赤、食欲不振、嘔吐、下痢がみられますが重篤なものはありません。
 製法の関係で酵母に対してアレルギーのある人は使えません(乳児期ではまれ)。

3.公費による接種開始日
平成28年10月1日より

4.接種費用
無料(全額公費負担)

5.対象者、接種回数・間隔
対象者:出生後から1歳に至までの間にあるもの。ただし、平成28年4月1日以後に生まれた者に限ります。
接種回数・間隔:27日以上の間隔をおいて2回皮下に注射した後、第1回目の注射から139日以上の間隔をおいて1回注射するものとし、接種量は毎回0.25mlです。標準的には、生後2ヶ月、3ヶ月、7-8ヶ月に接種します。

母子感染予防対象者の接種スケジュールは異なります。